お役立ちコラム
賃貸やマンションの場合、隣接する部屋の生活音はある程度聞こえてきますよね。
しかし、その音が限度を超えている場合や不適切な時間帯の場合、騒音になってしまいます。
そこで本記事では、上階からの騒音トラブルの原因や、対策としてとるべき行動について紹介します。
円満に解決するための注意点についても解説しているため、悩んでいる方はぜひ目を通してください。
マンションの上階から騒音が出る原因
騒音となりやすい音はさまざまですが、上階から響く場合はどのような音が原因なのでしょうか。
騒音となりやすい上階からの音の例は、下記のとおりです。
● 足音(特に子ども)
● ドアの開閉音
● イスやテーブルを引きずる音
● スピーカーの重低音
イメージとして、ドンやズンと低く響く音が想像できるでしょう。
これらの音は、固体音(固体伝播音)と呼ばれる音です。
壁・床・天井などの物を介して振動が伝わる音で、対策が難しいとされています。
マンション上階の騒音トラブル解決のためにとるべき3つの行動
ある程度の生活音はお互い様です。
しかし、眠れない、毎日続いてストレスに感じるなどの影響があれば、解決のために行動をとる必要があります。
具体的には、以下3つの行動をとるべきでしょう。
1. 管理会社に相談する
2. 騒音に関する記録を残す
3. ADRや弁護士に相談する
悩んでいる場合は、可能なものから始めてみてください。
管理会社に相談する
まずは、不動産管理会社に相談するのがよいでしょう。
管理会社は住人間のトラブルを解決するため、騒音防止のために対策を行うのも仕事の一つです。
騒音主が特定できている場合 ・直接の注意喚起や防音へのアドバイス
騒音主が特定できている場合 | ・直接の注意喚起や防音へのアドバイス |
騒音主不明の場合 | ・騒音の種類から騒音主を予測 ・エントランスの掲示板などに注意喚起の貼紙 ・注意喚起の手紙をマンション住人へポスティング |
管理会社によって対応は異なりますが、主に上記のような対策を講じてくれます。
一度、管理会社に相談してみるとよいでしょう。
騒音に関する記録を残す
騒音の記録を残しておくのも大切です。
騒音の様子を細かく記録しておくと、下記のようなメリットがあります。
● 騒音主や騒音の原因を特定できる可能性がある
● 騒音主は対策がとりやすくなる
● どれほど困っているか理解してもらいやすくなる
記録の残し方は、騒音が発生したときの具体的な日付や時間帯、頻度や持続時間を残すとよいでしょう。
映像で記録する方法もあります。
なお状況を伝える際は、できるだけ具体的に説明するのがポイントです。
管理会社への相談の際に、これらの情報を伝えると対策が講じやすくなる可能性があります。
ADRや弁護士に相談する
管理会社から注意してもらっても解決しなかった場合は、別の策を講じる必要があります。
トラブルを抱えた当事者達で問題を解決ができない場合に、仲介して解決に導くADR(裁判外紛争解決手続)といった機関があります。
ADRでは弁護士や元裁判官が間に立ちますが、裁判に比べて手続きが簡単で解決までの時間が短く、コストが抑えられるのが特徴です。
また弁護士への相談も可能です。
しかしコストがかかるうえに、法的に対処する明確な線引きが難しく、勝ち目がないケースもあると理解しておきましょう。
マンンション上階からの騒音トラブルを円満に解決する際の注意点2選
騒音に悩まされていても、なるべく円満に解決したいですよね。
そこでこちらでは、騒音を円満に解決する際の注意点を2つ紹介します。
1. 直接苦情を言わない
2. 仕返しをしない
順番に見ていきましょう。
直接苦情を言わない
騒音問題はとてもデリケートな問題であり、音を出している本人にも全く自覚がない場合もあります。
面と向かって苦情を言いに行くと、住人の逆恨みを買う場合もあります。
さらに重大なトラブルに発展する恐れもあるため、直接苦情を言うのはやめましょう。
また「上階ではなく、ななめ上の住人だった」と、騒音が出ている部屋を勘違いしている場合もあります。
さらなるトラブルを避けるためにも注意が必要です。
仕返しをしない
騒音が続くとイライラする気持ちは、多くの方が理解できるでしょう。
やり返したくなる気持ちもわかりますが、仕返しをするとあなたも加害者の一人になります。
● 天井をつつく
● 天井に物を投げる
● 仕返し目的で騒音対策用スピーカーを使う
上記のような行為は、相手との関係性も悪化し新たなトラブルを生む原因となるため控えましょう。
円満な解決からは遠のきますので、どんなにイライラが募っても仕返しはおすすめできません。
マンション上階の騒音トラブルへの対策方法3選
こちらでは騒音主へのアプローチ以外でできる、自宅や自分の対策方法を3つ紹介します。
1. 防音材を天井に貼り付ける
2. 耳栓やイヤホンを使う
3. 引っ越しを検討する
ではそれぞれ見ていきましょう。
防音材を天井に貼り付ける
上階からの騒音の場合は、天井に吸音材や遮音材などの防音材を貼ると音が軽減される可能性があります。
長く住み続ける予定の方は、防音対策を施すリフォームを検討するのもよいでしょう。
しかしリフォームをするとなると高額になるため、引っ越しを検討している方や賃貸の方は難しいですよね。
まずは、市販の防音材を試してはいかがでしょうか。
耳栓やイヤホンを使う
耳栓で音をシャットアウトしたり、イヤホンやヘッドホンを使用したりするのも一つの手です。
ポリウレタン製の耳栓は遮音性能が高く、使い慣れていない方でも受け入れやすいでしょう。
ノイズキャンセリング機能がついているイヤホンは、周囲の音を防ぐ精度が高いのが特徴です。
本来くつろぎの場である自宅で、リラックスして過ごすために試してはいかがでしょうか。
引っ越しを検討する
どうしてもストレスになり我慢できない場合は、引っ越しを検討するのもよいでしょう。
引っ越し先では、同じように悩まないためにも下記に注意が必要です。
不動産屋に説明する | ・騒音問題で新居を探している旨を伝える ・前住人の退去理由は問題ないか確認する |
内覧では入念に確認する | ・最上階や角部屋の空きがあるか ・隣接する部屋の音は聞こえてこないか |
建物の構造に注意する | ・鉄骨造よりRC(鉄筋コンクリート)造を選ぶ ・壁を叩いて軽い音がしないか確認する |
まとめ
毎日騒音に悩まされるのは、大きなストレスです。
少しでもそのストレスが軽減・解消されるために、まずは自分にできることから始めてみましょう。
解決が難しい場合は、ADRや弁護士の介入も視野に入れてください。
騒音問題は、対応によってさらに大きなトラブルを招く可能性があるため、円満に解決するためにも慎重に行動しましょう。