お役立ちコラム
「リアルエステートテック」といった言葉を聞いたことはありますか?
不動産テックとも呼ばれており、新しい不動産サービスとしてここ数年注目されている言葉です。
本記事ではリアルエステートテックとはどんなものなのか、種類やメリット・デメリットなどを解説していきます。
不動産関係の仕事をしている方、不動産売買に興味がある方は必見です。
リアルエステートテックとは?
リアルエステートテックとは、不動産テックとも呼ばれており「不動産」と「テクノロジー」を合体させた言葉です。
つまり、テクノロジーを使って不動産業の課題を解決し、現在の習慣を変える取り組みです。
特にアメリカではリアルエステートテックが進んでおり、今までは不動産関係者でなければ見られなかった情報の開示などが行われています。
日本はまだまだ不動産関係に関しては書面や対面でのやり取りが多いですが、最近は不動産業界全体がリアルエステートテックを進めています。
リアルエステートテックの種類
リアルエステートテックの種類は全部で12種類もあります。
● 仮想現実・拡張現実
● 不動産情報
● 仲介業務支援
● 管理業務支援
● IoT
● ローンや保証
● クラウドファンディング
● 価格の可視化や査定
● シェア
● リフォームやリノベーション
● マッチング
● 物件情報
今回はこの12種類の中から、特に不動産売買に関係が強い4つに絞って詳しく紹介していきます。
仮想現実・拡張現実の利用
仮想現実や拡張現実を利用すれば、遠方の物件探しを行っている場合でも、わざわざ現地に行かずに、内覧ができます。
それだけではなく、現在入居者がまだ住んでいる場合や、建物が完成していない場合もでも内覧が可能になります。
入居者がいる、建物の完成前でも内覧が行えるのでオーナーにとっては空室対策ができるため魅力的でしょう。
また、VRホームステージングといったサービスを使えば、家具の配置なども拡張現実でシュミレーションが可能です。
状況別ローン想定
現在は人がさまざまな状況等を想定しローン返済シュミレーションなどを行っています。
しかし、本格的にリアルエステートテックが普及すれば、テクノロジーが自動でさまざまな状況を想定、ローンの返済シュミレーションが行えるようになります。
空きスペースのシェア
こちらは最近広まったサービスですが、自分が使っていない場所などを他人に貸し出す、空きスペースのシェアが広まっています。
例えば家の開いている部屋を旅行者相手に貸し出したり、長期出張中に部屋を貸し出したりできます。
使っていない場所でお金を稼ぎたい方とちょっとした場所、期間部屋を借りたい方の間で行われているようです。
物価の査定・価格公開
膨大なデータを集め分析することにより、物価価格の査定を行ってくれます。
その査定結果の価格を後悔するサービスはすでに提供が始まっているようです。
リアルエステートテックのメリット
それではリアルエステートテックを進めるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
主なメリットを2つ紹介します。
遠方の物件内覧が可能
まずは、遠方の物件を探している場合、現在では写真や動画を見るか現地にまで足を運んで内覧を行います。
しかし、写真や動画では見えない部分があったり、現地に足を運びたくても仕事の都合で行けなかったりかもしれません。
そんなときリアルエステートテックが進んでいれば、わざわざ遠方に行く必要もなく内覧ができます。
また、移動時間が必要ないため、短時間で複数の物件の内覧も可能です。
不動産情報の透明性が高くなる
現在私達が不動産情報を見るためには、不動産貸会社を通さなければいけません。
そのため、不動産会社が出してくれた情報が本当にそれだけなのかを確認できないため、不動産のデータは「ブラックボックス化」しているとも言われています。
しかし、リアルエステートテックが進めば、不動産情報を不動産会社を通さずに閲覧できるため、透明性が高くなります。
リアルエステートテックのデメリット
それでは逆にリアルエステートテックのデメリットを2つ紹介します。
まだまだ、リアルエステートテックが進まない理由でもあります。
すべての契約が電子化できるわけではない
不動産業界にもオンライン契約は普及してきましたが、日本の法律上、オンライン契約ができない書類が存在しています。
● 定期借家契約
● 賃貸借契約
上記の2つはオンライン契約できない場合があります。
このようにオンライン契約ができる場合とできない場合などの線引が難しくなかなかリアルエステートテックが進みません。
仮想現実・拡張現実の内覧だけではわからない所も多い
現地にいかなくても、内覧ができる点がメリットの仮想現実と拡張現実ですが、わからない点が多いといったデメリットもあります。
例えばその部屋の温度や匂いは感じられません。
見た目ではすごくいい物件でも、実際に行ってみるとすごく悪臭のする物件かもしれません。
時間帯の日当たりによっては、温室のようにとても暑い可能性もあります。
このように視覚以外の情報に関してはわからないため、仮想現実や拡張現実の内覧だけで決定してしまうのは少し危険です。
まとめ
今はまだ、課題の多いリアルエステートテックですが、今後もっと身近なものになると予想されます。
本記事ではリアルエステートテックとはどんなものか、種類やメリット・デメリットなどを解説しました。
今後当たり前になっていくであろう技術なので、今から少しずつ知っておきましょう。